1/200 重巡洋艦 鳥海 てうかい)

艦橋 煙突

昭和50年頃、艦船模型写真集(モデルアート社)で 故 亀井 新さん が作られた「鳥海」に 触発され 製作を開始しました。

船体は木材(朴)の張り合わせ、構造物は木材、紙、プラスチック など。

「鳥海」は大きな艦橋が魅力です 最近はパーツ類の市販もありますが この艦は市販部品をまったく使っていない フルスクラッチです。


第1回船舶模型工作コンクール(1976)全国大会で入賞し 東京お台場の「船の科学館」に 半年間展示されました(名古屋から飛行機に乗せて持って行きました)


後部 砲塔付近


最近の1/200の模型では船体側面、装甲板の張り合わせを表現するのが あたりまえですが 半世紀前 の製作なので 船体は のっぺりしています。


カタパルトは「紙」に瞬間接着剤を染み込ませて加工しました 

砲身は 太すぎですが 修正せずそのままです キャンバスの加工もしてありません

第5砲塔下の船体側面に直線の痕がありますが これは完成後 寸法が足らなかった船体を 延長した時の傷跡です   詳細は  連合艦隊誌 79号

舷窓の庇は 0.2mm厚の燐青銅板を 細く切って作りましたがオーバースケールです


船首部分

砲塔の遮熱板の「空気抜き穴」の加工は手抜きして作りました

アンカーチェーンは「銀製のネックレス」を使いました この模型で一番 部品代が高価な部分です


主砲身は真鍮パイプを使いましたが 直径が太すぎ オーバースケール です

「吃水」 の表示は 昭和2年にメートル法に改められ 文字も 高さ100ミリの アラビヤ数字に改められ 200ミリごとに偶数で記入することになった 

戦時中は機密保持のため塗りつぶされていた


塗別線(吃水線)は 満載
吃水線 中央部を0として 艦首部を垂線間長の1/300 艦尾部は1/600の 高さにとり その3点を円弧で結んだものである  (直線ではないことに注意)


艦橋部分

カッターは木型を作り 細く切った画用紙を貼り付け「クリンカー張り」を表現しています 

「木型に 接着剤がつかないように パラフィンを染み込ませる」という作り方が一般的ですが 簡単に済ます為 木型に「サランラップを巻きつけて」その上に貼り付けるという方法で作りました乾いたあとの   取り外しが簡単です







参考図書

軍艦メカニズム図鑑   「日本の巡洋艦」   森恒英  グランプリ出版

カタパルト部分


12cm単装高角砲は木のブロックに砲身を差し込んだ だけの作り方なので 実感に欠けます  

デリッククレーン、カタパルト、内火ランチ の材料は紙です


艦載機の尾翼が「赤」く塗られていたことを 船の科学館の職員の方に教えていただき 早々に改修しました 資料がみんな白黒写真だったことと 知識不足でした。 
 

外舷塗料は 各海軍工廠によって色調が違い 舞鶴、呉、横須賀、佐世保 の順で黒っぽくなっていた ただ航海に 出ると現地で補修塗装をしたため 新造時の色とは 異なることが多かった


船尾

今どき、スクリューは大抵 市販品を使いますが「鳥海」は プラ板で自作しました (当時は市販品がなかった? 知らなかった)。


船尾には旧仮名使いの ひらがな で艦名を黄銅板で表示していた 平時は磨き上げていたが 戦時は塗りつぶしたという。  

鳥海は 「いかうて」 と書かれていた。




甲板の「リノリュウム止め」は 甲板に0.3mmの真鍮線を埋め込み 塗料で埋めて螺鈿細工のように サンドペーパで削りだしました 実感はありますが 数年で真鍮線が「浮上がる」トラブルが発生しました  温度による熱膨張が原因です
 修復が大変でした

故、河井 登喜夫さんから いくつかの部分の 間違いを指摘されました その後 一部修正しましたが 改善箇所が多すぎるため 後日 姉妹艦の 「高雄」 を製作しました 
 

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