1/200   復員船  竹 (たけ)       製作開始 2018−10            完成   2019-3  

艦船模型の大先輩 満州生まれの 山口サン(2020-4 逝去)が戦後 満州からの引き上げに 大連から乗船した 復員船が 「駆逐艦 竹」であったことが わかり 復員船の状態の 「竹」を製作することにしました  駆逐艦時代の「竹」は 図面や資料がありますが 復員船に改装された「竹」は ほとんど資料がありません 試行錯誤しながら 製作を始めました  今回は船体が小さいこともあり 肋骨や側面板 まで すべてを 1mm厚のプラ板 で製作することにしました 

正面線図は軍艦メカニズム図鑑(グランプリ出版)から1/200に修正してコピーします

1mm厚のプラ板に張り付け 一枚ずつ切り出すのは ベニヤ板で製作するのと同じ

切り出した 肋骨  べニヤ板より加工が簡単

5mm角のプラ材を竜骨にして 仮置きしてみる

船首と船尾を朴材で加工   戦時急造駆逐艦「竹」 の船型が浮かび上がる  

上面図と側面図は写真日本の軍艦 海軍艦艇図面集 U(光人社) を1/200に 縮尺を直してコピーし原図にした

早めに船台を製作 

1mm厚のプラ板で側面板を張る 接着剤は ラッカーシンナー 

割合短時間で船体が完成  船首の底が平らなのは 4式水中聴音器の取り付け位置
復員船では 水中聴音器は取り外されていたと推定

船体の塗装 リノリュウム甲板は サンデーブラウン と ウッドブラウン を 1:1で混合   奥は同時製作の 駆逐艦「響」

「リノリュウム押え」 は いつもの 金色のマイラップテープを0.5mm幅に切て貼り付ける 作業後つや消しクリアーを吹く

艦橋 煙突 類が出来上がって仮置き   復員船なので兵装はなし 主砲座跡や魚雷発射管取り付け穴跡の構造が不明 

主砲座の周辺の円形の「すのこ」が 残されたかどうか は不明だが 一応作る  戦時応急艦「竹」のビルジキルーの断面は三角ではなく 一枚の鉄板で構成されていた

最終塗装  マスト 手すり は未加工

主砲を取り外した跡 や魚雷発射管跡 機銃座跡は推定





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復員船は船腹に日章旗と艦名をローマ字で表示していた  塗装前のマスキング     文字はパソコンで製作して マスキングテープに印字し切り抜く

復員船 竹 に接近するカッターを製作
「櫂立て」の敬礼を表現する

側面の文字の塗装を終わった 復員船 竹

国際信号旗を取り付ける   薄い和紙で製作   「U W 1」 を表示

日よけの天幕を 和紙で製作   船首旗ざお には国籍を示す日章旗

主砲塔跡に天幕 (正確な資料がなく推定で製作)

信号旗 「U W 1」 の意味は ”貴艦の協力を感謝し ご安航を祈る” である

専用の底板つきの アクリルケースを特注  一番高価!!

魚雷発射管取り外し跡 と艦橋後ろ に 補修用の材木 を推定で積載した
 
前檣ヤードの両端の「速力標」が"両舷前進原速”を表示しているのに 舷梯を降ろしているのは間違い!

アクリルケースに収納  復員船 竹 完成

 武装解除した 松型駆逐艦の実写

右図は 速力標 の意味

例えば 35kt艦 の場合
                 連合艦隊誌6号43P


微速
原速(経済速度)   14kt
強速          18kt
第一戦速       22kt
第二戦速       26kt
第三戦速       28kt
第四戦速       30kt
第五戦速       32kt
最大戦速       34kt
一杯   個艦ごとの最大速力