美濃加茂の米田白山 ’01秋

 

 このところの晴天続きはすごいですね。毎日が雲一つ無く晴れ渡った展望日和です。もっとも、晴れ過ぎているために空気が濁り気味で、すっきり見渡せるという程でもありませんが、遠くの山々も確認できるだけの透明度は維持しているように思います。

 11月23日(祝)は、やはり朝から良い天気でした。兼ねてから訪れてみようと思っていた、美濃加茂市下米田地区にある白山(274m)に行ってきました。ここは、岐阜県の治山事業として平成10年度までに整備された、東山森林公園「下米田さくらの森」の一部にもなっています。公園内には、グラウンドやバーベキュー広場などもあります。白山の登山口は、公園の休憩所などがある場所よりやや南側にありました。広い駐車場があり、朝8時頃でしたが1台もクルマはありません。正面に登山口と書かれた標識があり、階段が続いています。

 そこを登ると高圧線の鉄塔があり道は分岐しますが、右が白山展望台とあります。しかし道は下り?何故か舗装路に出ました。左が展望台とあるので進むと、舗装路が突き当たりになり、また山道の登りが始まりました。後でわかったのですが、この舗装路は、私がとった入口よりさらに南側に別の登山口があり、そこから続いていました。クルマは進入できないようになっています。

 さて、山道に入ったものの、良く整備された広い道で、ジグザクに緩やかな傾斜で高度を上げるように付いてます。どうも、公園整備で新しく作った道のように思えます。山の北西側にあたるため、日陰になってあまり汗をかかずに登れます。高度を上げるにつれ、北西側の展望が開けていきます。足元には東海北陸自動車道の橋脚部(工事中)が見えます。また北側にはときおり御岳が見えました。山頂部手前でまた分岐がありますが、展望台は右とあるのでそちらへ。途中、デジカメで写真を撮りながらゆっくり登ったのですが、登山口から20分程で展望台に到着しました。

 木製の展望台は、美濃加茂市街を一望できる西側を向いています。その先に鳩吹山や猿啄城も見えます。遠くには瓢ヶ岳なども見えますが、加賀の白山は確認できませんでした。北側には納古山が間近で、その右手には御岳も見えています。その右は自らの山頂があって遠望を遮っており、東側は見えません。南側には樹林の間に可児市街が見えますが、あまり開けてはいません。やはり美濃加茂の展望台という感じでした。ここで朝食などをとって休憩。容易に登れる場所であるためか、柱や壁には中高生のものと思われる落書きで満たされています。微笑ましいと言うべきかどうか、よくわかりませんが、山であるという気持ちはやや失せてしまいました。

 休憩を終えると山頂部手前の分岐へ戻り、「反射板」と記された逆方向に進んでみました。明らかに展望台は頂上ではなく、その方向こそが頂上に続いて見えました。こちらの道は、最初ススキで遮られていましたが、やがて立派な階段に出ます。そこを登ると巨大な反射板はありました。これは中部電力のもので、マイクロ波の反射に用いるものということですが、何のために使っているのかは知りません。その先にまた分岐があり、右がすぐに白山頂上でした。ちなみに左は尾根道が続いていて魅力的ですが、今回は行きませんでした。

 頂上は樹林に囲まれていますが、二等三角点もあり、傾き朽ちかけた「米田白山274m」という表示板も木に掛かっています。ここで私は「米田白山」という名称を初めて目にしたので、以降そう呼ぶことにしました。この山行中、一人の人とも出会わず、まったく静かな時間を過ごす事が出来ました。もっとも、西側に見えていた鳩吹山を望みながら、あの山頂では展望が開けているのだろうなと、ややうらやましく思ったのも正直なところです。

(2001.11.25 FYAMAPに掲載)

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