北アルプス展望旅(その1)  ’93春
   − 乗鞍岳〜新穂高 −

 山旅というと「山登り」を想像しがちですが、このレポートは自らの足でまったく登ることをしない山旅の記録です。山々を眺める旅とでも言いましょうか、日本アルプスの代表格である穂高岳や槍ヶ岳などを展望した二日間の旅でである、1993年5月15日〜16日のことを回想します。なお、このころは一眼レフカメラを始めたばかりで、写真があまり良くありません。ご了承ください。(2000年1月2日記述)


 その日、山師匠とともに冬期閉鎖を解いて開通したばかりの乗鞍スカイラインへ向かいました。スカイラインの入口ゲートではクルマの列ができていましたが、入ってからは順調に終点の畳平まで走ることができました。

 スカイラインの両側には数メートルの雪の壁が残るところもあり、まだまだ冬という雰囲気です。畳平では強い風も吹いていて、非常に寒い思いをしました。雪の残る斜面ではスキーをする人もありました。


畳平から見る、観測所のドーム


雪の壁の間をぬって走る

 展望は良いと言うべきでしょうか。笠が岳〜槍ヶ岳・穂高岳、北アルプス南部のパノラマが広がります。あいにく雲が多く、すっきりと見渡せるという感じではありませんでした。しかし、いかにもアルプスというその景色はなかなかの圧巻でもありました。


笠が岳など


槍ヶ岳〜穂高岳

 乗鞍岳を下り、新穂高ロープウェイに向かいました。ウィークエンドとあって、乗車を待つ列に並ぶことになりました。しかしいったん乗ってしまえば、グングンと二千数百米の地まで運んでくれます。

 谷をはさんで相対するのは笠が岳です。その形が「笠」のようだからという山名ですが、この方向からはまさにその通りでした。真上には西穂高岳の岩峰がそびえています。新築されたばかりの西穂高山荘が稜線上に赤い屋根を見せていました。


笠が岳が目の前


西穂高岳が真上にそびえる

 西穂高岳から北方向に目をやると、槍ヶ岳の穂先がチョンと見えています。新穂高ロープウェイは、途中で乗り継ぎがあるのですが、その乗り継ぎ駅からは焼岳も大きく見えていました。


槍ヶ岳が見える


煙吐く焼岳

 ロープウェイを下りると、我々はこの日の宿を探すことになりました。このあたりはいくらでも温泉宿があるので、泊まれないということは考えられませんが、多すぎて選ぶのに困るということはあるかもしれません。結局、福地温泉の民宿に泊まることになりました。温泉露天風呂の日本一多い所と言われるだけあって、小さな民宿にも露天風呂が用意されていました。

(その2へ続く)

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