飛騨の霊峰、位山 ’94夏
飛騨の中央、高山の南に位置する位山(くらいやま)。冬はスキー場の賑わう所ですが、夏に訪れる人は少ないようです。そんな場所へ1994年7月だったと思いますが、山師匠とともに行ってきました。そのときの写真を見ながら回想してみようと思います。(1999年8月11日記述)
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中古のスズキ・ジムニーを買ったばかりだった私は、どこかの山へ行ってみたくて仕方がなく、山師匠を誘って位山に行くことにしたのです。昭和58年式ですから、すでに11年を経過したボロ車ですが、一応「クーラー」(エアコンではない)も付いており、一路飛騨路へ。国道41号線を高山に向かって北上し、久々野の町に入ったら左折。冬場に位山国際スキー場へ行くルートです。そもそも位山山行を思い付いたのは、スキー場のロッジの親父さんに聞いた話しが印象にあったからです。「位山では山頂に水が湧く。その水は乗鞍や白山の伏流水だ。」ということ。
夏のスキー場は何かガランとした寂しい空間です。その横を通り抜け苅安峠からタナ平林道に入ります。いわゆるオフロードで、ジムニーの本領発揮といったところ。位山を捲くように付いた、なかなかハードな道を登り詰めると、そこは行き止まりの広場でした。簡単な休憩所もある整備された場所です。豊富な湧き水まで出ています。
タナ平林道終点の広場 |
そこから登山道を歩いて行きます。この道が何かしら不思議なものでして、ルート脇のあちこちに、巨石が点々と存在しているのです。中には、名前の付いたものもいくつかあっていろいろと楽しめるわけですが、「天の岩戸」があるのには少々苦笑しました(^^; そうして30分程歩くと、やや開けた感じになって山頂部分に到着します。際立ったピークはなく、なだらかに広い場所となっています。展望小屋とでもいうのでしょうか、木で組まれた建造物がポツンとあります。展望はどうかというと、西に残雪のある白山連峰がよく見えますが、あとは繁った樹木の合間にいくつかの山が見えるという感じです。グルリ360度のパノラマというわけにはいきません。しかし、夏空の良く晴れた天気の下、静かでのどかな山頂でありました。
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さて、あとの課題は山頂の湧き水ですが、ここには見当たりません。実は、登る途中に水場の分岐がありましたので、どうやらその先には水があるらしいのです。行ってみました。10分も歩いていないと思います。木陰に整備された、水場がありました。もちろん湧き水ですので、山頂というかどうかは別にしても、山の上部に湧いていることは間違いありません。しかし、それが乗鞍岳や白山の伏流水とは思えませんねえ。位山自体が水を蓄えており、それが湧き出ているのだと思います。とにかく水はありましたので、もとのルートに戻り下山しました。
位山は、例えば御岳や白山のような信仰の盛んな山というわけではないのですが、何かいろいろといわれのある山でして、太古のピラミッドであるという説もあったりします。位山という山名も「一位の山」ということでして、天皇家に献上するイチイの木もここのものだとか。(ちなみに岐阜県の木はイチイです)
位山。いろいろないわれを信じるか否かは別として、なかなか楽しませてくれる山であります。 スキー場側からもルートがありますから、ハードなタナ平林道を使う必要はありません。
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以上が位山の思い出ですが、スキー場は現在、施設も一新された「モンデウス位山」と名前を変え、スノーボードのメッカとなっております。