紅葉の恵那山 ’92秋

 

 恵那山は、私の住む街からもしばしば良く姿を見せる山で、そのボリュームある山体を子供の頃から眺めておりました。そういう意味で親近感のある、ふるさとの山という思いがあります。岐阜・長野県境にある標高2191mのこの山に登ったのは、1992年10月のことでした。そのときの様子を回想します。(1999.8.21記述)

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 職場の先輩に誘われ、初めて恵那山に行くことになりました。もっともメジャーな登山口である黒井沢口へは、中津川から未舗装の林道にクルマを走らせます。黒井沢口に着くとすでに多くのクルマが停まっていました。そこから沢沿いに登山道が始まります。恵那山は樹林の山で、秋のこの時期は赤や黄の覆いの下を行くことになります。やがて、樹林を抜け明るい場所に出るとそこには「野熊の池」と名付けられた池があります。ここでしばし休憩しますが、山頂はまだまだ先です。


紅葉の樹林の中を進む

途中にある野熊の池→ 

 

 ここから先は、ところどころで展望の得られるルートになります。しかし、遠くの山がすっきり見えるという状態ではありません。東方向に高い山脈の稜線の影が認識できます。南アルプスの南部付近に違いありません。2000mになろうという標高からさらに見上げる山脈の存在にやや感激しました。そしてようやく山頂が目前に見えてきました。

 
東方向に南アルプスの稜線が見える


恵那山山頂が目前に見える

 山体をトラバースするように登って行きます。山頂直前に水場があり、水が湧いていることに驚きます。そして山小屋のある山頂部に到着しました。”山頂部”と表現したのは、恵那山の頂は長くなっているためです。頂上といわれる場所にはそこからまだ少し歩かねばなりません。山小屋は避難小屋ですが、できたばかりのきれいな所です。ここの前が広場になっており、昼食をとります。


山頂避難小屋と同行者

 昼食後に、いわゆる頂上へ向かいます。途中に祠などもあり、いろいろといわれのある山であることを感じます。特に登ったという意識は無いのですが、山頂標識のある頂上に到着しました。回りに樹木がありあまり展望は良くありません。実はここの標高は2190mで、恵那山の標高2191mは別の場所なのだそうです。山頂部が長いとこういうことも生じるのでしょうか。

 
途中のカラマツ林の黄葉


黒井沢付近の鮮やかな紅葉

 同じルートを下山します。針葉樹林や笹の緑の部分もあれば、カラマツの見事な黄金色、紅葉の鮮やかな紅色、秋の紅葉を堪能できる山行でした。神話にも登場し、かのウォルター・ウェストンも訪れたというこの山ですが、アルプスとは違う、何か日本の里山の代表のような印象を受けました。

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 以上、すでに7年前の出来事になります。昨年(1998年)は黒井沢の林道が通行不能となっていたようですが、今年は復旧したようで、また多くの人が訪れるものと思います。

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